関西・滋賀の酒蔵巡りガイド 2026🍶🍷
知る人ぞ知る、米所滋賀。
選りすぐりの酒蔵巡りガイド
湖北・湖東・甲賀・湖南・湖西。30の蔵から12蔵を厳選+ワイナリー2軒
📅 2026年5月 公開
この記事では、観光がてら立ち寄れる蔵見学・試飲・直売のある蔵を中心に、エリア別で12蔵を厳選。さらに番外編として、滋賀の小さなワイナリーも2軒ご紹介します。京阪神・名古屋から日帰りでも回れる距離感で、何度行っても飽きない地酒探しの旅へ。
🌾 なぜ「滋賀の酒」が面白いのか
県外の方にあまり知られていない、5つの理由
伏流水の宝庫
伊吹山・鈴鹿山系・比良山地、それぞれ性格の違う伏流水で蔵ごとに個性が生まれる
滋賀発の酒米「渡船」
山田錦の父系。県内農家との契約栽培で復活させた幻の酒米を使う蔵が多い
蔵が密集している
湖北・湖東・甲賀・湖南・湖西と、車1時間圏内で違うエリアの蔵を巡れる
街道筋の歴史と一体
北国街道・中山道・東海道・朝鮮人街道、宿場町と蔵がセットで楽しめる
流通の狭い地酒
県内限定・蔵元限定の銘柄が多く、現地でしか出会えない一本がある
国際的な評価
Kura Master・IWC・全国新酒鑑評会で金賞を取る蔵が多数。実力派揃い
🏔 湖北エリア|長浜・木之本
伊吹山系の伏流水と雪深い湖北の風土。木之本宿の街道沿いに歴史ある蔵が並ぶ、滋賀酒造りの中心地。当館・ひといきから徒歩〜車30分圏内の3蔵をご紹介。
琵琶湖最北端の旧北国街道沿い・木之本宿に蔵を構える、創業490年超の老舗。「賤ヶ岳の七本槍」に由来する銘柄「七本鎗」は、北大路魯山人が大正期に逗留した縁で、店内には魯山人直筆の扁額「七本鎗」が今も掲げられています。15代目蔵元の冨田泰伸氏は欧米のワイナリー巡りを経て、地元滋賀の酒米「渡船」「玉栄」を中心とした“地の酒”造りに取り組み、IWCや海外輸出でも高評価。木之本観光と合わせて訪れたい蔵です。
冨田酒造のすぐ近く、木之本宿の街道沿いに建つ日本で4番目に古いとされる酒蔵(1532年創業)。日本酒「北国街道」のほか、現在日本でここだけが醸す「桑酒」(桑の葉を使った伝統的なリキュール)が看板商品です。文豪・島崎藤村が愛飲し、自筆の発注書も残っています。砂糖を使わず、もち米の麹で甘さを出す独特の製法。瓶のデザインも美しく、お土産にも喜ばれる一本。冨田酒造とセットで木之本散策に組み込めます。
長浜市榎木町、北陸道「長浜IC」から車で約5分の場所にある2011年創業の比較的新しい蔵元。先祖代々の酒造業を志半ばで途絶えさせまいと、佐藤硬史氏が現代に蘇らせた蔵で、長浜のおもてなしの心を「やわらかな口あたりと芳醇な味わい」で表現することを掲げています。代表銘柄「湖濱」のほか、フェミナリーズ世界ワインコンクール2021で金賞を受賞した梅酒も人気。長浜市街の蔵としてアクセスがよく、ひといきから車で立ち寄りやすい一軒です。
🌾 湖東エリア|豊郷・愛荘・東近江・竜王
鈴鹿山系の伏流水と肥沃な湖東平野。滋賀県内でもっとも酒蔵が密集するエリアで、観光向けの蔵見学・試飲対応が充実しています。当館から車で30分〜1時間圏内の4蔵をご紹介。
彦根藩主・井伊家より酒造りを命じられて1854年に創業。「金亀」は彦根城の別名「金亀城」に由来します。注目すべきは公式に「いつでも酒蔵見学可能・いつでも無料試飲可能」と発信されている懐の深さ。精米歩合40%〜90%までのバリエーション豊富な純米酒を造り、4段仕込みなど昔ながらの手法を守り続けています。毎年4月最終週の土日に「春の金亀酒蔵祭り」を開催(無料送迎バスあり)。観光客にとって最も入りやすい蔵のひとつ。
新嘗祭の御神酒(白酒)を宮中へ献上する栄を賜る蔵。総けやき造りの酒蔵は6代目当主の設計で、東蔵と主屋・書院は国の登録有形文化財に指定されています(NHK朝の連続テレビ小説「甘辛しゃん」のロケ地)。鈴鹿山系の伏流水と滋賀県産の酒造好適米のみで醸す手造りの美酒。事前予約で無料の酒蔵見学ができ、登録有形文化財の建物見学+仕込み水の試飲+多彩なお酒の試飲がセットで楽しめます。蔵元直営のお食事処「かくれ蔵 藤居」も併設し、近江の旬の食材と「旭日」のペアリングが楽しめます。
「喜び、楽しく、長生きしてほしい」という願いを込めた銘柄「喜楽長」を200年以上守り続ける蔵。現在は9代目次期蔵元・喜多麻優子氏が杜氏を兼ねる注目の若手女性蔵元。フランスの日本酒コンクール「Kura Master 2022」で「first」「時渡る」「純米吟醸」の3商品がゴールドメダル、令和5酒造年度全国新酒鑑評会でも金賞を受賞。「たおやか」をキーワードに、米の旨味が滑らかに広がる酒質を目指しています。
竜王町弓削で地下120メートルの岩盤下を流れる鈴鹿山系愛知川伏流水を仕込み水とし、契約栽培の山田錦・吟吹雪を全量使用する、滋賀を代表する銘醸蔵。「松の司」は全国新酒鑑評会金賞の常連で、IWC・Kura Master・国際線ビジネスクラス搭載酒など評価多数。ただし蔵元では直接小売販売・通販・蔵見学は実施しておらず、購入は特約店経由のみ。竜王訪問の際は事前に近隣の特約店をチェックするか、ラ コリーナや黒壁周辺の酒販店で探すのが現実的です。「飲んでみたい派」より「知識として押さえておきたい派」向けの蔵。
🥷 甲賀エリア|水口・甲賀
東海道の宿場町・水口宿と忍者の里・甲賀。歴史的街並みのなかに、観光客向けに蔵見学・試飲を充実させた蔵が並びます。当館から車で1時間〜1時間半圏内。
東海道五十三次・50番目の宿場町「水口宿」の街道沿いに建つ創業100年超の蔵。昔ながらの「山廃仕込み」を中心に酒造りを続け、4代目蔵元が立ち上げた限定流通ブランド「三連星」も人気。直売所「酒蔵みふく」では量り売りや限定酒の販売、店内試飲が楽しめ、2024年オープンの「蔵カフェ薫蔵(KAGURA)」では、地元食材を使ったランチプレートや甘酒スイーツが味わえます。蔵見学は無料・前日までに要予約、1名から60名まで対応。年に一度3月最終週の土日に「春の蔵祭り」を開催し、5,000人以上が集う一大イベントに。
🏯 湖南エリア|草津
東海道の大宿場・草津と、京阪神からのアクセス起点。湖南の蔵は街道沿いの歴史と、総合酒類メーカーならではのワイン・焼酎ラインナップが魅力。
江戸城を築城した室町武将・太田道灌を祖先にもつ太田家が、廃藩後に始めた蔵。「道灌正宗」の銘で清酒を醸すほか、焼酎・ワイン・ブランデーまで手掛ける総合酒類メーカー。旧東海道・草津宿に建つ「道灌蔵」は1階が販売店、2階が「太田道灌」資料館として太田家所蔵の掛け軸や道灌公ゆかりの品を自由見学可。※公式サイトによれば、現在は酒造りの蔵見学は実施しておらず、資料館のみ自由見学・店内試飲が可能です。後述の「琵琶湖ワイナリー(栗東)」も同社運営。
🌅 湖西エリア|高島
比良山系の伏流水と、清らかな湧水「かばた文化」が息づく湖西。当館から車で1時間〜1時間半。湖西ドライブのルートに組み込みやすい3蔵。
「かばた」(家の中に湧水を引き込む文化)で全国的に知られる針江地区に位置する蔵。豊富に湧き出る伏流水を仕込み水とした「松の花」はクセの少ない食中酒として愛されています。滋賀県の公式観光情報でも紹介されている蔵見学では、自家井戸のかばたの水を見るところから始まり、麹室や仕込み蔵の見学、そして蔵を改装した個室での滋賀県産おつまみ+日本酒試飲まで体験可能(試飲料・試食料込み・要予約)。針江地区の散策と合わせて訪れたい、湖西の代表的な蔵見学スポット。
高島市の山廃仕込みにこだわる蔵。「不老泉」は熟成タイプの濃醇旨口で、燗酒ファン・通の間で人気。生酛・山廃造りの伝統的な手法を守り、燗をつけることで真価を発揮するクラシックな酒質。比較的小さな蔵で流通量も限定的なため、地酒専門店や蔵周辺で出会う一本として記憶に残る蔵です。湖西ドライブの途中、白鬚神社・メタセコイア並木方面と組み合わせて立ち寄りやすい立地。
高島市勝野の蔵で、食中酒としてバランスの良い「萩乃露」を醸します。県内外の特約店を通じて流通しており、白鬚神社や近江舞子方面のドライブで立ち寄れる立地。穏やかでまろやかな酒質は、湖魚料理・近江牛との相性が抜群です。
🍷 番外編:滋賀のワイナリー2軒
日本酒の蔵が多い滋賀ですが、個性的な日本ワインを醸すワイナリーも。日本酒派の方も新発見があるかも。
滋賀県で2番目のワイナリーとして1991年に開業。日本でも珍しい「にごりワイン専門」のワイナリーで、国産生葡萄100%・無濾過のワイン造りにこだわります。創業者がアパレル業から転身した経緯を持ち、ワイナリー内には日々の暮らしを彩る食器類や美術館を併設。ワイン酵母を使ったパン工房もあり、ワインとパンの試食試飲は無料・10種類ほどを気軽に楽しめます。永源寺の紅葉狩りや湖東三山ドライブのコースに最適。
前述の太田酒造(道灌)が運営するワイナリー。栗東市浅柄野の広大な荒蕪地を開墾し、表土と底地を取り替える「天地返し」の大工事を経て築いた葡萄園。昭和34年に果実酒製造免許を取得し、除草剤を使わない徹底した有機農法でワインを生産。一流ホテルでも提供される「浅柄野」ブランドが代表作。日本酒と異なる視点で滋賀の地を味わいたい方におすすめです。
🚫 大切なお願い:酒蔵巡りの「移動」について
飲酒運転は絶対にやめましょう。試飲のある蔵を巡る際は、運転を担当しない方が試飲する/公共交通機関を利用する/タクシーや観光ドライバーをお願いする/前泊・後泊して翌日帰る——この4つのいずれかを徹底してください。
滋賀の酒蔵は車でのアクセスが基本ですが、JR近江鉄道沿線の蔵(冨田酒造・山路酒造・岡村本家など)は公共交通でも巡れます。京都・大阪・名古屋からは長浜駅・米原駅起点の「電車+徒歩」での酒蔵巡りも十分可能です。
また、未成年・妊娠中・授乳期の方の飲酒は法律および健康上の理由でお控えください。お酒は20歳になってから、おいしく適量で。
🏡 酒蔵巡りの拠点に、長浜の町家リトリートを
滋賀の酒蔵巡りは、車で移動して試飲を楽しむなら「前泊して、酒は宿で飲む」「翌日に帰る」のが王道。和乃リトリートひといきは、長浜の古い町並みに佇む町家を貸切で泊まれる宿です。
湖北の冨田酒造・山路酒造・佐藤酒造へは車で30分圏内。蔵で買ったお酒を、町家の縁側で、貸切サウナのあとに、ゆっくり味わう。それができる立地です。
- 🚗 北陸道「長浜IC」より車で5分
- 🅿️ 駐車場あり(要事前予約)
- 🍶 徒歩圏内に地酒・酒販店多数
- ♨️ 貸切サウナで翌朝までゆっくり
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